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ささやかな刺繍生活

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タグ:デボラ・フランソワ ( 3 ) タグの人気記事

譜めくりの女「LA TOURNEUSE DE PAGE」

「タイピスト」ヒロイン、デボラ・フランソワ出演の作品を見つけて嬉しくなり、借りて鑑賞してみました。

「tourner トゥルネ」は、英語で「ターン」の意味で、「曲がる、周る」なのですが、
「めくる」という意味もあるのでした。

「tourneuse トゥルヌーズ」は、めくる人(女性)という事になります。

もう1人の主人公は、「女はみんな生きている」のカトリーヌ・フロです。
(HPのコラム208にこちらの映画の感想もかいています。)

ピアニスト関連のお話なので、バックにシューベルトやバッハの音楽が流れます。
それにふさわしい映像美でもあります。

ところが、ストーリーはなかなか陰険な復讐劇なんです。

ヒロインのメラニー(デボラ・フランソワ)がかわいすぎるので、あまり怖くないな~と思っていました。
時々、はにかんだような表情もするし。

でもラストで、あれは本当に全部復讐のための演技だったのねと、複雑な心境になるのですが…。

肉屋の娘として生まれたメラニーの夢はピアニストになる事。

ある日、音楽学校への入学試験で、憧れでもある著名なピアニスト(アリアーヌ)で審査員の、心ない行為により集中力をそがれ、試験に失敗してしまうメラニー。

父親には、試験の前から「お前のピアノが好きだから、試験に失敗してもレッスンは続けていいよ。」
と言われていたのにも関わらず、宣言通りにピアノをやめてしまう。

この辺りからも、ピアノの試験にかけた想い、意思の強さを彼女に感じました。

そして、これから試験を受ける別の少女の練習中に、わざとピアノの蓋を閉めた辺りも、
妬みを心に残す、恐ろしい少女だと感じました。

その少女は美しい女性へと成長します。

短大に通いながら、実習先として弁護士事務所を選びます。

そこは、あのピアニストの夫がボスの事務所でした。

事務仕事も優秀にこなす彼女は、夏休みの間息子さんの子守をする役をかって出て、この家族の中に入りこみます。

アリアーヌは2年前にあった事故が原因で、精神的に不安定な状態になり、
ソロピアニストではなく、楽譜めくりが必要な室内管弦楽のピアニストに転向していました。

ちょうど譜めくりが欠員だったため、過去にピアノをやっていて、
譜をめくるしぐさやタイミングをとても気に入ったアリアーヌは、
演奏会までの譜めくりをメラニーに依頼する。

メラニーは、いつも無表情であまりしゃべらないのだが、それがかえって落ち着いているように見え、信頼のできるような雰囲気を醸し出しいたのだ。

次第に、アリアーヌにとってメラニーは心の支えとなり、なくてなならない存在となっていく。

演奏会が大成功に終わった中盤、打ち上げパーティーを抜け出したメラニーを追ってきた、アリアーヌの唇にそっと触れるシーンがあるのですが、メラニーは、復讐ではなくアリアーヌを愛し始めたのかなと思いました。

その辺りから、アリアーヌもメラニーを意識するように…。

次のオーディション演奏では、メラニーは直前に姿を消し、すっかり動揺したアリアーヌは、代役の譜めくりを前に本来の演奏が出来なくなってしまった。

「ごめんなさい。」と現れたメラニーに手を握られ、
すっかり「この人がいないと私はダメだ」と思い込むアリアーヌ。

こうして、着実にアリアーヌの懐に入り込んだメラニーだが、
バカンスが終わりを告げ、翌日パリに帰る事に…。

最近様子が変わってきたアリアーヌを心配し、一緒にバイオリンを演奏している友人から、
「メラニーを愛しているなら、自分に素直になりなさい。」と言われる。

ちなみに、メラニーは20歳位で、アリアーヌは50歳近いのに、
既婚者・子持ちまで飛ばして、同性、年齢さえもものともしないフランス人の恋愛て…。

日本では考えられませんけれど、それだけ自分の気持ちを大切にする国民性なのでしょうね。

意を決して、自分の気持ちを手紙にしたためるアリアーヌ。

しかしそれを翌朝、出張から帰宅した夫に見られてしまい…。
(夜、ドア越しに手紙を受け取ったメラニーは、わざと夫宛ての郵便物の中にそれを置いておいたのです。)

既に日が昇る直前にメラニーは家を出ていました。

将来ピアニストになったであろう、息子には、
「二人だけの秘密よ」と言いくるめて、速さのある練習をさせ、指の筋を痛めさせておきました。

じわじわと家庭を崩壊させた、メラニーの執着心には屈服しましたね。

やはり、復讐の意思は初めから何も変わっていなくて、見事に計算通りに演じきりました。

最後のアリアーヌの手紙の訳は、「愛しています。私も一緒に家を出るわ。」でしたが、
フランス語では、「je vous aime. Maintenant ma vie recommence.」
(私はあなたを愛しています。今、私の人生は再び始まる→つまりやり直す)でした。

うーん、相手の気持ちもしっかり確認していないのに、思い込みの激しいフランス人…。
と、案外冷静に見てしまった自分がいました。

いくら、主人公が可愛くても、「こんな陰険な話はもうごめんだわ。」と思ったのですが、
主人公が寡黙でほとんどセリフがないので、
聞き取りの練習にいいなと軽い気持ちでDVDを購入しました。

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そうしたら、思いの他、特典のメイキング映像が良かったです。

監督自身が、フランス交響楽団出身の音楽家でもあるので、
楽器のシーンにもリアリティがあるような気がします。
(私はピアノは全くですが、小学生の頃バイオリンとエレクトーンを習っていました。)

ピアニストの最初の曲は、同じく音楽家でもある脚本家の方との合同で、監督自身が作曲したものを使用しているそうです。

偉大な作曲家のものもBGMとしてバックに流れるのですが、
だんだんと段階を踏んで緊迫感のある曲になるように考えられていて、納得しました。

あとは、自分が描いていた人物像が、監督の思惑とぴったり合っていたのが嬉しかったです。

私は、パケージやパンフレットのあらすじは見ますが、
他の方のレビューは最初には見ないで、自分の言葉で感想を書くようにしているからです。

ささ、もう一度学習代わりに観てみようと思います。

でも、書き取ったりする程やる気はなくて、ただ聞き流すだけなんですけれどね。

by lapinmillemille | 2017-10-19 08:34 | 映画 | Comments(0)

デボラ・フランソワ

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タイピストのヒロイン、本当にかわいくて、「オードリーの再来」とまで言われていたようなんですけれど、
経歴を調べてみたら、なんとダルデンヌ兄弟監督の「ある子供」がデビュー作なんですね。

少年役のジェレミー・レニエは鮮明に覚えているけれど、
相手役の女の子は、あまり顔を覚えていませんでした。

あの少女がこんなにキレイになっていたなんて…。
(出演時は16歳の高校生で、タイピスト時は25歳くらい?)

マリー・ジランにちょっと似ている気がします。

加えて、この監督が選ぶ役者さんなら、演技も実力があるはず。

今は、30歳になるみたいだけれど、まだまだ活躍してほしいです。

フランス映画界は広くないのか、いろいろな監督・作品つながりで俳優さんを知れるのが醍醐味?かもしれない。

「ある子供」は、以前にこのブログでストーリーを説明しています。

よろしかったら、読んでみて下さい。

by lapinmillemille | 2017-06-09 17:13 | 映画 | Comments(0)

「タイピスト!」

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友人から勧められて、借りて見ました。

一言であらわすと、主人公がとても可愛らしくて楽しい映画です。

目がくりっとしていて、金髪のバンビちゃんみたいなデボラ・フランソワは
「アメリ」のオドレイ・トトゥとはまた違ったキュートさ!

スポ根要素が入った、シンデレラ・ストーリーとでも言いましょうか、
主人公が、タイプ打ちの才能を雇い主の男性に見い出され、
訓練しながら試合に勝ち進んでいく様子は見ていて痛快です。

それに加えて、結構濃厚なラブ・シーンもあります。さすがおフランス。

1950~60年のフランスを舞台にしているのですが、洋服やインテリアや音楽、どれも
おしゃれで、(でも映像は原色が少なくてもや~っとした色合いで、古めかしさがよく表現されている。)
多くの人が想像する、フレンチシネマではないでしょうか。

これなら、仏映画初心者の人にも貸してあげやすいのでいいですね。
(私のはどうも暗めのラインナップになりがちなので、貸す時にセレクトに困ります…。)

内容は単純なので詳しく明記はしませんが、ちょっとドジだけれどまっすぐな主人公と、
強引な指導をするのに、乙女心には疎くて奥手の男性とのやりとりが、
きゅんとしたり、切なくなったりで、久しぶりにラブストーリーを堪能できました。

男性は社長という役柄なので、当然と言えば当然なんですが、三つ揃いのスーツ姿でしか
登場しなくて、それがまたバブル時代の玉置さん(80年代安全地帯はスーツ姿でバンド演奏してました…。)
を彷彿させ、懐かしくて良かった。(→すみません、本当に。)

by lapinmillemille | 2017-06-09 16:33 | 映画 | Comments(2)