人気ブログランキング |
ブログトップ

ささやかな刺繍生活

abeille7.exblog.jp

タグ:マリオン・コティヤール ( 4 ) タグの人気記事

エディット・ピアフ 愛の讃歌

久しぶりに、息抜きにDVDを見ました。

最近、スキー脳?になっていたから…。

以前に感動して購入したにも関わらず、なかなか再び観れずにいた「エディット・ピアフ」です。
c0248030_06203306.jpg
久しぶりにケースを開いたら、新聞の切り抜きが2枚入っていました。

この映画を撮った日本人撮影監督のセザール賞受賞の記事と、映画公開の記事でした。

すっかり忘れていました…。

「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」「愛の賛歌」などの歌が有名なシャンソン歌手です。

フランス人ならきっと誰もが知っている人物なのでしょう。

彼女は、1963年に47歳の生涯を閉じています。

語るように早口で歌う独特の歌唱法、鼻に詰まったような発音、下町なまりのようなアクセント…
そして、何より情熱を込めた歌い方…、

とても強烈で稀有な存在だと思います。

映画では、同じ人物が16歳くらいから、晩年までを演じています。

マリオン・コティヤールです。

最初は同じ人物とは思えなかったのですが、老女のシーンは(47歳でも70歳位に老けて見えます。薬物に侵されたせいだと思います。)5時間かけたメイクで演じているそうです。

その彼女の魂のこもった迫力のある演技に魅せられて、こちらを買ったのであって、別段ピアフのファンだったというわけではありません。

CDも持っていないし。

映画は、歌手としてというより一人の人間としての生き様を描いているところがいいと思いました。

少し前に鑑賞した「私はマリア・カラス」は、彼女の生涯を、インタビューを交えて時系列に並べているだけでした。

しかし、こちらは彼女の不遇の生い立ちから、様々な運命的な出会い、数々の苦悩が、観客に迫ってくるように描かれています。

既婚者との恋愛の渦中に、相手が飛行機事故で亡くなった後のシーン、
絶望の淵に落ちて半狂乱になったピアフが、突然観客前の舞台に引きずられるように登場した場面は、一瞬ぞくっとしました。

1人の人間である前に、彼女は皆に求められる天才歌手なのです。

けれど、そこだけに焦点を当てるのではなくて、彼女の考え方・生き方に当てている点に好感が持てました。

正直、お上品とは対極の位置にいる彼女。

母には男と逃げられ、大道芸人の父にも捨てられ、娼館を営む祖母の家で幼少期を過ごしている環境が影響していると思われます。

人生のどん底から、歌の才能と、恵まれた運で持ち上げられ、努力と歌への情熱で、ここまでの地位を築いた彼女。

そして、何より真っすぐな魂をお持ちです。

かなりヒステリックな面もありますが、歌への情熱のせいと、アーティスト気質なのかなと、あまり気になりません。

波乱万丈で短命な人生でしたが、彼女は自分自身の人生に後悔はしてないと思います。

by lapinmillemille | 2019-03-05 06:30 | 映画 | Comments(0)

マリオン・コティヤール主演「愛を綴る女」

c0248030_06340554.jpg
…タイトルの前に、「独りよがりに」と付け加えたいくらいです。

マリオン・コティヤール演じるガブリエルは、愛に飢えた夢見がちな少女。

妻帯者の教師に迫り、相手に「どうかしている」と拒絶されると、激情を募らせ遠くの草むらに倒れこむ。

裸体を窓辺に移し、男たちの反応を見る。

そんな、精神的に不安定で、半ば彼女を病人扱いしている母親は、
経営するラベンダー畑で雇っている、真面目な労働者ジョゼを夫としてあてがう。

「あなたの事は絶対に愛さない。不幸になるわよ。」というガブリエルに、
「俺も愛していない。」と答えるジョゼ。

そんな風に結婚生活が始まる。

ある時、ガブリエルに結石が見つかり、アルプスの温泉療養所に入院することになる。

そこで、戦争が原因で病気に侵された元軍人・アンドレに心惹かれ、介抱するかのごとく彼に付きまとう。

(ちょっとちょっと、あなたは仮にも人妻よ…。)と私には理解できない言動でいっぱいなのですが、
彼女は、自分の感情に素直すぎると言うか、制御できない激情に”狂気”を感じさせられてしまいます。

(自分は、ここまで我を忘れるほどの異性に出会っていないから、そう思うのかな…。)と思いましたけれど、

やっぱり、凡人には共感できない、主人公でした…。

ある時彼が救急車で運ばれ、ガブリエルは愕然とします。

視線も虚ろに意気消沈する彼女の前に、アンドレが再び姿を現します。

リヨンの病院で手術を受け、少しはよくなったと…。

惹かれ合う2人は、永遠の愛を語ります。

しかし、今度はガブリエルの症状がよくなったとみなされ、夫によって退院をさせられることに。

「手紙を書き合おう」と固く約束して、別れる2人。

しかし、ガブリエルの手紙に返事はこない。

またもや、とりつかれたようにおかしくなっていくガブリエル。

自分が出した手紙の束が戻ってきた際には、入水自殺を図ろうとし、必死でジョゼが止めます。

時は過ぎ、息子が産まれ10才になった時、ガブリエルは、離婚を考えて夫の愚痴を言う妹に、ジョゼを認めるようなセリフを言います。

やっと、妻としての役割も果たさず、外にばかり目を向けていたガブリエルを、ひたすら支えてきた夫の良さに気が付いたのかなと、思っていました。

息子に、アンドレとの思い出の曲を弾かせ、ピアニストへの道を歩き始めさせるガブリエル。

更に成長した息子を、リヨン音楽学院のコンクールに出させるため、一家で赴きます。

その途中に、手紙の住所がある通りにさしかかります。

ガブリエルは、取り乱して急に車を降りて、アンドレの住む場所へと走ります。

(こんな大切な時でさえ、あなたは夫・息子より、彼を選ぶのね…。)と冷めた目で見てしまう自分がいました。

その場所には、彼の付き人がいて、こう伝えます。

「彼は亡くなりました。救急車で運ばれたあの日にです。」

なんと、その後のアンドレとの愛のやり取りは、全部ゴーストの彼とだったのです。

というか、愛を求める強さゆえに、彼女は幻覚を見てしまったのでしょう…。

(そんな事はありえるのかな?)とまた冷静に思ってしまう私…。

ガブリエルが美しすぎるから見れるけれど、冷静に考えるとこの女性のやってきた事は、自己中極まりないです。

日本で同じような映画を作っても、ヒットもしないでしょうし、非難ゴーゴーですよね。

それをものともせず、こういった映画を完成させる西洋は、やはり自己主張と個々の受け入れの文化がしっかりしているのかなと、
思わされました。

夫のジョセは全てを見抜いていて、17年間黙っていました。

「何故黙っていたの?」というガブリエルの問いに、

「君に生きていて欲しかったから」と答えるのです。

このセリフのために、この映画は作られたような気がします。

やっとガブリエルの目の焦点が合ってきたと言うか、現実に引き戻され、夫の故郷を一緒に眺めるシーンで終わります。

映画「フランスの思い出」と同じく、こちらも夫婦の再生(というか始まりの)物語です。

エンドロールに、原題が「mal de pierre」(結石)と出ました。

結石の診断を受けている場面で、この単語を聞いて、

(malは「悪」とか「痛み」だから、「ピエール」は石の事か。)なんて思っていましたが、

まさかこれが原題とは思いませんでした。

では、この”悪いもの”は最後はガブリエルの中からなくなったと考えて良いですね。

※pierre・ピエール=石というのは、なぜかうっすら覚えていて、何で知ったのかなと思ったら、
「ハウルの動く城」のフランス語字幕を、全部ノートに書きだした中に載っていました。
c0248030_06274580.jpg
ジブリ作品は、フランスで特に人気があるので、「もののけ姫」以降全てフランス語音声・字幕標準装備です。

アニメは画面にとらわれ過ぎず、言語が頭に入りやすくて勉強に最適だと思います。

こうやって、映画の中で新しい単語や忘れていた単語を確認できるのが、密やかな楽しみなんです。

by lapinmillemille | 2018-08-01 06:37 | 映画 | Comments(0)

たかが世界の終わり

c0248030_08011546.jpg
原題は、「世界の終わり」をフランス語にしただけですが、「たかが」を付けた方はなかなかセンスがあるなと思いました。
意味深で、深くも浅くも受け取れます…。

こちらの作品は、「アデル・ブルーは熱い色」に出演していた、レア・セドゥ、そして、
「エディット・ピアフ」や「サンドラの週末」に出演していた、マリオン・コティヤールが出ているので、
見応えがあるに違いないと思いました。

2人とも、容姿より断然演技で魅せる女優さんだからです。

しかし、現代仏映画をそれなりに見ていて、パターンを分かっているつもりでいた自分でも、
いつまでもよく分からないまま、終わってしまった映画でした…。

主人公の男性が久しぶりに実家に帰る話で、その家族とのやり取りメインなのですが、話の流れが全く見えないのです。

頭部(後ろ姿も含む)を写した映像がやたらと長く、首やあごの動きで心理状態を表現しているのはわかりましたが、
肝心な話の内容が見えてこない…。

主人公はほぼ黙っていて、周りの人間がまくし立てて映画の状況説明をする手法で時間が過ぎていきます。

どうも、主人公は何かもめごとがあったかして、12年前に家を出てしまったというのはわかりました。

そして、主人公の兄嫁と初対面する所からほぼスタートです。

父親の存在はなく、母・兄・妹は、口うるさく激しい性格という点が共通しています。

お嫁さんは主人公の性格に近く控えめで、他人の気持ちを理解し、口には出さずとも動ける人物のようです。

上記の激しい3人は、いつもお互いを責め合って、痴話喧嘩に近い言い争いをしています。

そりゃ1人だけ性格が違ったら、ここから逃げ出したく気持ちもわかるなあと思いました。

でも、これってどこの家庭でも起こりうることだと思います。

お互いの性格を非難し合ったり、「どうせ俺が悪いんだろ?いつも否定されるんだよな!」とか自虐的な事を言ったりしますが、
家族だからこそ気が緩んで、そこまでは思っていなくてもあれこれぶちまけてしまったり、すれ違いが起こると言うか…。

ほんの少しだけ、そうは思っても口に出さないか、お互いに譲ればいいのに…。

主人公は、何を思っているのかまた何をしたいのか、私には見えないままでした。

(いくら細かい心理描写をしていても、観客に伝わらないのであれば、これは駄作になるのでは?)と思いました。

そして、今回は他の方のレビューを見てしまいました。

今更ですがネタバレになるので、気になる方は読むのを控えて欲しいのですが、
どうも主人公は余命がわずかで、それを家族に伝えに戻ってきた様なのです。

(冒頭の部分で、自殺をする前に会っておこうという風に理解していましたが、どうやら病気の様です。)

しかし、とうとう外野がうるさすぎて、打ち明けられないで終わります。

途中、主人公がゲイであるような描写が出てきたので、エイズにでも侵されたのかもしれません。

しかし総括すると、家族のやり取りというよりは、喧嘩を見せられただけのように思った私は、
まだまだ洞察力も足りないし、それを素晴らしいと感じる感性も足りなかった事が判明しました…。

だって、この映画実は、カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得しているのです。

監督はとても若いかたでした。お見事です。

※グランプリより上の最高賞を「パルム・ドール」と言います。
実はグランプリとごっちゃになっていました。

ちなみにこの年(2016)のパルム・ドールは、ケン・ローチ監督の「わたしは、ダニエル・ブレイク」です。
イギリスの監督で、私も観ようかどうか迷ったのですが、観ずにいたら夫が映画館で観ていました。

こちらもそのうち鑑賞してみたいです。

by lapinmillemille | 2018-07-19 08:04 | 映画 | Comments(0)

「サンドラの週末」

c0248030_10254886.jpg
鑑賞しました。

はっきり言って、これほど明確に人の心情と人柄(悪く言えば本性)を描いた作品があったでしょうか。

体調不良で休職していたサンドラが、復職しようとしたら、彼女の休職期間中も仕事がまわっていた事から、
不景気気味の会社に解雇を言い渡される。
それを免れるには、16人いる同僚の過半数にボーナスを放棄してもらうように説得しなければならない。

家賃を払うために共働きが必須のサンドラは、薬(おそらく安定剤)をたびたび服用しながら、
月曜日に行われる再投票に向けて、週末に同僚に会いに行く。

最初からこの不条理に反対し状況を説明してくれ、社長にも直訴してくれた同僚を抜かすと、
残りのほとんどが、苦しい生活のためにボーナスを放棄できない、という返事をする。

しかし、その中にも味方はいた。以前サンドラにミスをかばってもらった男性は、サンドラよりボーナスを選んだことを恥じ、
月曜日はサンドラに投票すると彼女に誓う。

他にも、迷いながらも、夫ともう一度相談をすると返事をしてくれた同僚もいた。

親子で勤めている同僚にいたっては、父の方は彼女に同情の気持ちを見せるが、
息子は「俺達から金を奪う気だ。」とサンドラを突き飛ばし、父親をも殴る。

自分のせいで、親子が殴り合う事に、心を痛めるサンドラ。

夫の支えと励ましもむなしく、精神的に不安定な彼女は薬を大量に飲んでしまう。
そこへ、同僚からの返事がくる。
「あなたに投票する、夫とは別れる。今まで7年間言いなりになってきた。」と。
救急車で病院に運ばれたサンドラは、離婚を選んだ同僚の事を気にかけながらも、
もう1度残りの同僚たちを説得する事に、闘士を燃やす。

もう、なんでここまで1つの職場、仕事にこだわるのかと思ってしまうが、
ヨーロッパの失業率から考えても、それなりに若くても転職は大変なんだと思う。
スペインに嫁いだ同僚が教えてくれたが、スペインも貧しい人が多く、仕事は一度つかんだら決して離さないと言う。

現実は厳しい。

勤務中はあんなに仲良くしていたのに、こういう場面で居留守を使う女性、
彼女の立場を思いやり、臨時職員ながらボーナスを手放すと約束する男性、
ここで、人間の本質を垣間見た気がした。

最後は、8対8で過半数を超えられず、ロッカーの整理をするサンドラに社長からこうお声がかかる。
「半数にボーナスを諦めさせた説得力は評価できる。同僚内で分裂が起こるのも困る。だからボーナスも出すし、解雇もやめる。」

笑顔を取り戻すサンドラ。
しかし社長は続ける。「16人でも残業をすれば仕事はこなせるのだから、2か月後に臨時職員の更新をやめるから、
それまで待っていてくれ。」と。
「誰かをクビにするなら、今の話はなかった事に。」とはっきり断るサンドラ。

ここで、またサンドラの人間性が見て取れる。

夫に結果を報告する。
「私は善戦したわよね。」
やるべき事はやったとばかりに、晴れ晴れとした面持ちで帰路につくサンドラ。
その後ろ姿には、「何としても仕事を探す」という覚悟が見て取れた。

…私がこの映画を見てみたかったのは、ダルデンヌ兄弟監督の作品だからという以外に、
主演がマリオン・コティヤールだったからです。

彼女が主演をつとめた「エディット・ピアフ」(「バラ色の人生」「愛の賛歌」を歌ったシャンソン歌手です。)
を観て、ピアフの魂が乗り移ったような演技に圧倒されました。
もう1度よく見たいと、DVDを購入したほどです。

ピアフ役で老婆のような晩年の姿をさらけ出し、今回の役も完全にノーメイクで、すごくきれいとはいい難いのですが、
インタビューや会見できちんとメイクをした姿は、別人のように美しい女優さんです。

日本と違って、役柄の中とマスコミ向け用の容姿のギャップがものすごいのは、
それだけ、役に対してなりふり構わず魂を入れ込んでいるから…という気がします。
と言っても、私は日本映画をそれほど見ていないので、よく知らないだけかもしれませんが…。

by lapinmillemille | 2017-06-04 10:25 | 映画 | Comments(4)